「私いままで写真を撮られるのが嫌でたまらなかったんです」
「でもちゅんたろうさんにいただいた写真を自宅に飾っています」
長い長いひきこもり生活を終え、働き始めた福祉の職場で言われた言葉です。これで俺の心は決まりました。
「俺の写真はこんなにも人の心を動かせる、写真の世界で生きていこう」と。
これまでたくさんの人に支えられてきた。これからは写真を通じて恩返し、恩送りをしたい。
それは2010年の春のこと。
いつものように友達と「生きづらさ」について話していたときだった。
ふと、頭上からすずめが舞い降りてきたんだ。
その子は見慣れた茶色ではなく、苔むしたような渋い緑の帽子をかぶっていた。
その瞬間、辛い別れを経験した親友“ちゅんたろう”の姿が頭によみがえった。
いつかまた、あの濃緑の帽子に巡り会いたいと今日も俺は写真を撮り続ける。
